U-20日本代表のDF瀬古歩夢【写真:舩木渉】
ポーランドで開催されるU-20ワールドカップの初戦を2日後に控えた21日、U-20日本代表は試合会場となるビドゴシュチュ近郊で練習を行った。
軽いランニングやストレッチ、トライアングルパスをこなした冒頭15分間のみを報道陣に公開し、その後のメニューは非公開に。選手たちには笑顔も見られたが、戦術確認などでより実戦を意識した練習になった模様だ。
練習後に取材に応じたDF瀬古歩夢は「ワールドカップになって緊張もすると思うんですけど、それも初戦がだんだん近づいてきてから緊張すればいいと思うので、いい雰囲気でやれているかなと思います」とチーム状態に手ごたえを感じているようだった。
各年代別の代表に招集されて将来を嘱望されてきた瀬古だが、2年前のU-17ワールドカップは負傷で出場することができなかった。今回のU-20ワールドカップはその悔しさを晴らす舞台なのか。日本の将来を背負う長身センターバックは「まさにそうです。燃えています」と言葉に力を込める。
「怪我してから長かったですけど、(U-17ワールドカップは)ちょうど手術したくらいの時にみんなが頑張っていたので、追いついてやろう、追い越してやろうという気持ちで今までやってきて、やっとここまで来れたので、ようやく自分が目指してきた舞台に来たなと思っています」
だからこそ「U-20ワールドカップは一度しかないので、悔いを残したくないですし、一戦一戦頑張っていきたい」と、並々ならぬ決意で世界に挑む。そして、「悔い」を残さないために非常に重要なのがグループリーグ初戦だ。
相手となるのはエクアドル。この年代の南米王者であり、すでにA代表経験のある選手も擁する優勝候補の一角だ。最前線に君臨するレアンドロ・カンパーナは18歳にしてA代表で2試合に出場する長身でスピードもフィジカルも備えた今大会屈指の注目選手。瀬古は日本のセンターバックとしてマッチアップすることになる。
「やっぱり得点源がそこ(カンパーナ)というのは確かなので、そこをセンターバックで抑えれば勝利につながるかなと思う。そこは意識してチャレンジしていきたい」
闘志を燃やす瀬古は世界の舞台で持ち味を発揮し、実力を証明できるか。U-17日本代表としてのワールドカップ出場を逃した際、当時の森山佳郎監督は瀬古を評して「彼がいれば日本のセンターバックは安泰だと思っていた」と絶賛していた。
セレッソ大阪でJ1デビューも果たした18歳は、豊かなポテンシャルの全てを解放できるか。守備の要としてU-20日本代表を支える姿に注目だ。
(取材・文:舩木渉【ポーランド】)
【了】