最後の最後で力尽きたフランクフルト
精も根も尽き果てていた。5月18日、澄み渡った五月晴れに覆われたアリアンツ・アレナーー。ブンデスリーガ最終節で、バイエルン・ミュンヘンと相見えたアイントラハト・フランクフルト。力は残っていなかった。
不慣れな過密日程の中で戦い続けたヨーロッパリーグは、9日、チェルシーとの死闘の果てに準決勝で敗退。そのわずか3日後に迎えたマインツ戦は、あえなく0-2で敗北。それからおよそ1週間の間隔が空いたが、それでもアイントラハトは、今季のELで示してきたようなインテンシティを取り戻すことはできなかった。
長谷部は「チーム全体に最後の最後までパワーがなかった」と振り返った。
「チャンピオンズリーグの出場権はね、他の2試合の結果次第だったので、かなり厳しい状況だっていうのは自分たちも分かっていたし。最低ヨーロッパリーグの出場権は取りたいっていうのは感じていたので、最低でもポイント1は取ろうっていう風にはね、そういうものはみんな持っていましたけど。まあその中でなかなか、それを取れるくらい、ちょっとこう、最後の最後までパワーがなかったですね、チーム全体に」
リベロの長谷部誠を中心とする守備陣は、7連覇を目前に猛るバイエルンの選手たちに呑み込まれ、前半こそキングスリー・コマンの1失点に抑えたものの、後半は堰を切ったように4失点。“ロベリー”のラストランに花を添えることになった。
守備陣だけでなく、アイントラハトのチーム全体が、ディフェンスの強度を保つことができない。ブンデスリーガと平行して欧州の舞台を戦い抜いた後では、もう力は尽き果て、残されていなかったのだ。