順調な滑り出し
日本が入ったのは南アフリカ、スロバキア、ブラジルと同組。9月14日の初戦・南アフリカ戦と17日の第2戦・スロバキア戦は首都・キャンベラで、20日のブラジル戦はブリスベンでの試合。南半球のオーストラリアは冬で、肌寒い中で調整して本番を迎えた。
フランスワールドカップと翌年のワールドユースに象徴される通り、初戦はつねに難しい。GK楢崎、DF(右から)中澤佑二、森岡、中田浩二、ボランチ・明神智和、稲本潤一、右サイド・酒井友之、左サイド・中村、トップ下・中田英寿、2トップ・柳沢、高原という豪華スタメンのチームでも、やはり入りは苦戦した。
前半31分に失点し、南アフリカにリードを許してしまったのだ。その停滞感を見事に払拭してくれたのが、黄金世代のエースFW高原。前半ロスタイムに中村のFKをドンピシャリのタイミングで合わせ、待望の同点弾を奪った。
そして後半33分には決勝弾をゲット。これは中田のスルーパスを軽く流し込むだけ。どんなときも冷静沈着な点取り屋に日本は助けられ、白星スタートを切ることができた。
続くスロバキア戦。日本は序盤から押し込んだものの、開始早々の柳沢のシュートに始まり、前半だけで5回もあった決定機を逃し、自ら苦しい試合にしてしまった。それでも後半27分に大黒柱の中田英寿が先制点をゲット。チームの緊張感がほぐれる。
そして大型ボランチ・稲本がようやく本領を発揮し、追加点を挙げ、力強く勝利を引き寄せた。終盤に1点を失ったものの、2-1で勝った日本は2連勝で首位に立った。
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