躍進の要因となったメンタリティ
強豪相手のゲームは一進一退の攻防となり、前半は0-0で折り返した。そして後半開始3分、日本は遠藤が豪快なミドルシュートを決めて1点をリードする。これを守り切るべく、トルシエは永井に代えて稲本潤一を投入し、ボランチを2枚にしたが、10人になった相手に一撃を食らってしまう。
90分で決着がつかず、試合は延長に突入。執念を見せるポルトガルに押し込まれ、日本は苦しみながらも耐え抜き、PK戦へともつれこんだ。そこで大仕事をしたのが守護神・南。4人目をストップし、日本に勝利をもたらした。
18日の準々決勝・メキシコ戦も本山と小野の2枚看板のゴールで2-0と勝ち切り、ベスト4入りした日本は21日の準決勝で前回大会準優勝のウルグアイと激突した。
高温多湿のラゴスでのゲームはタフな戦いを強いられたが、日本は前半23分に左サイドを突破した本山の折り返しを受けた高原が先制。幸先のいい一歩を踏み出したかと思われた。が、直後に同点に追いつかれ、相手の底力を痛感させられる。
それでも勝利を重ねてきた若きジャパンはブレることなく前へ前へと進み、前半35分には永井が待望の2点目をゲットする。「2年前のマレーシア大会の時はみんな『早く日本に帰りたい』と言っていたのに、ナイジェリアの時は誰もそんなことは言わなかった。それだけ団結したチームだった」と永井が言うように、彼らは勝ち進むことだけに集中していた。
播戸竜二がトルシエの物まねをしたり、みんなで「ラララの歌」(フランス代表が歌った歌)を歌ったり、メンバーが次々と丸刈りになったりと、黄金世代はとにかく明るく結束力があった。エキセントリックなトルシエという刺激も大きかったが、そういうメンタリティが史上初のFIFA国際大会ファイナリストという位置まで彼らを引き上げたのだろう。