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Jリーグ 6年前

久保建英の“あの一撃”をひも解く。怖さ知る男の証言、17歳の何が「チームで一番」なのか

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

今後、マークはさらに厳しくなる

 ファインセーブを連発して、改めてそのレベルの高さを証明したポーランド人GKは「まだまだ、これから良くなる、そういう余地が残っている選手かと思います。今シーズンに限らず1年1年、日々どんどん成長していくことを期待しています」と、将来日本を背負うであろう逸材にエールを送った。

 FC東京は本来のレギュラーから累積警告などで、DFチャン・ヒョンス、DF小川諒也、MF高萩洋次郎を欠いていた。苦しい台所事情の中で、決定的な仕事をするところにも久保の非凡さが見て取れる。

 これで8勝3分け。リーグの約3分の1を終えチームは無敗で首位を走る。背番号15はその原動力となっているだけに、他チームからのマークもより厳しくなっていくことは間違いない。この試合でも磐田の選手たちが複数で連係し、簡単には自由とスペースを与えなかった。「今後もどのチームも対策してくるので、考えてやらないといけない」と長谷川監督も話す。

 だが、そのような状況でも得点という結果を残したことは、改めて能力が疑いようもないレベルまで来ていることを示しているのだろう。一部報道で、6月に行われる南米選手権でのフル代表入り濃厚とも言われているが、そこで大きなサプライズを与えてくれるのではという期待もふくらむ。南米の強豪相手に若き天才が何をしてくれるのか。そんなことまで考えさせる存在感が、今の久保にはある。

(取材・文:下河原基弘)

【了】

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