ダービー敗戦で残りが「消化試合」に
ベシクタシュがダービーで負った傷。浅くはなかった。
「ガラタサライ戦で負けて、優勝の可能性がある大一番だったので、そういう意味ではいろいろな要素が詰まった中でのゲームだったのでね、そこは非常に、ファンも含めてチームにダメージがあったところはあると思います」
荒ぶる空気で燃え上がったトゥルク・テレコム・スタジアムでライバルに敗れ、優勝戦線から遠ざかっておよそ1週間――。5月13日に行われたスュペル・リグ第32節、対アランヤスポル戦。ボーダフォン・パークは空席が目立った。
香川真司は「消化試合に近いような雰囲気」を感じたという。
「優勝が途絶えた感じは、ファンもすごく感じていたと思うので、ちょっと難しい精神状態と雰囲気でしたね」
前半はベシクタシュがゲームを支配。11分、ブラク・ユルマズのパスにギュヴェン・ヤルチンが抜け出して右サイドを崩し、アデム・リャイッチが先制ゴールを決める。44分に敵のセットプレーからジャネル・エルキンがオウンゴールを喫してしまうが、後半に入って、54分にリカルド・クアレスマが強烈なミドルシュートを決めて勝ち越しに成功した。
それから香川に出番が回ってきたのは、68分のことだった。背番号23は、目に見える結果を追い求めてピッチに入った。
「しっかりとボールをキープしながら、点を奪いにいこうとは思っていました」
しかし、勝ち越したことで少しペースダウンしたチームの中で、なかなかボールは回ってこない。しばらくアランヤスポルの時間帯が続き、ベシクタシュは受け身に回ったこともある。香川はパスを受けようと精力的に動いたが、思うようにはいかなかった。