昨季の不安定さを完全に払拭
新加入選手はフィットするまでに時間がかかったが、既存戦力を上手く活用しつつ、昨シーズンまでのカウンター一辺倒ではなく、ポゼッションも織り交ぜたサッカーでリバプールは得点を重ねた。
結果サディオ・マネとモハメド・サラーは、アーセナルのピエール・エメリク・オーバメヤンと22ゴールで並び得点王を受賞した。ただ余談だがマネの22ゴールのうちPK0本だ。そのため実質マネこそがゴールデンブーツ賞を受賞するのに相応しいという声もある。いずれにしても得点王を2人も輩出するほどに今季のリバプールの攻撃陣は強力だった。
フィルミーノを含めた前三枚に点を取らせるためには、彼らを前線に残す必要がある。そのために中盤の3枚がハードワークで彼らの前残りをサポートした。特にジェイムズ・ミルナーの運動量は衝撃的で、平均走行距離が10km程度と言われている中、毎試合13㎞以上もの走行距離を記録。33歳のベテランを中心に他の2枚の中盤の選手たちも攻守にわたって走り続けた。
それでいて最終ラインにはフィルジル・ファンダイクが君臨。イングランドでプレーする選手たちの投票で決まるPFA(The Professional Footballers’ Association=イングランド・プロサッカー選手組合)の今季の年間最優秀選手に選ばれた男は完璧なパフォーマンスを披露してリバプールのリーグ戦最少失点に貢献した。
昨シーズンまでのリバプールと言えばシティに快勝したかと思えば、翌節に最終的には降格するスウォンジー・シティを相手に敗戦を喫するなど、どこか不安定だった。
しかし今季のリバプールをからはそんな不甲斐なさが完全に払しょくされていた。
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