83分間、自由を奪えていたが…
「左利きで、本当に左足ばかり使うので、そこは警戒していました。左のコースを切りながらジワリジワリと。持った時に一発というか、スルーパスとか背後への球というのはすごく狙っていた。持ち方ももちろん良かったですしね。未遂に終わるパスもあったりしましたけど、本当にあの失点シーン以外はそんなに、特別怖いなというシーンは作られなかったと思います」
もっとも、これはあくまで『対久保』の話である。FC東京は、攻め残りするアダイウトンの守備強度がそこまで高くないことを踏まえ、左サイドを起点に攻撃を展開。久保を経由しなくとも、形は作れていた。
また久保についても、仮にいつもと違う感覚があったとしても息を呑むようなスルーパスを繰り出すなど、自身のリズムは保っていた。何より、一つのチャンスに懸けていたはずで、実際に仕事を果たした。決して簡単ではないボールを、あの態勢でゴール隅に打てるのだから、対戦相手にとって本当に怖い選手だ。
83分間は久保から自由を奪えていた磐田だが、この時は一瞬だけ縄を解いてしまい、手痛いダメージを負うこととなった。
首位チームを相手に磐田はある程度、プランを遂行できた。しかし、試合には敗れており、持ち帰れそうだった1ポイントも得られなかった。今のチームにとっては勝ち点を少しでも上積みすることが求められる中で、最良の結末ではなかった。手応えをより具体的なものとしたいサックスブルーは次節、14位・ベガルタ仙台と対戦する。
(取材・文:青木務)
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