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イニエスタ、神戸の泥沼7連敗に呆然「答えを知りたい」。苦境を物語る特大のため息も…

text by 編集部 photo by Getty Images

アンドレス・イニエスタ
ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

 取材エリアに現れたアンドレス・イニエスタの表情は、わずか25分ほどのプレーだったとは思えないほど疲れ切って見えた。

 12日に行われた明治安田生命J1リーグ第11節、ヴィッセル神戸は鹿島アントラーズに0-1で敗れた。

 ホームの神戸が放ったシュート数は、鹿島の18本に対しわずか1本。スコアこそ1点差だが、内容はそれ以上に差のある完敗だった。これで公式戦7連敗とチーム状態が上向く気配はなく、ノエビアスタジアム神戸に集まったファンからはブーイングも飛んだ。

 他の全ての選手が取材対応を終えた後しばらくして現れたイニエスタは、記者から「どこが良くなくて今の状態になっているのか?」と問われると、大きく息を吸って「できればその答えを知りたかった」と言葉を絞り出す。そして次のように続けた。

「今は本当に精査するのが難しい状態ではあるけれど、やはりサッカーというのは負けだすとどんどん自信を失って、チャレンジする気持ちがなくなっていって、今のようなトンネルの中に行き着いてしまうと思う。ポジショニングがうまくいっていなかったり、1対1がうまくいかなかったり、いいパスが出なかったり、そういうことが重なっていくと、どうしても戦うのが難しくなっていく。もう本当に今はやり続けるしかないとい。

もちろんこういった状況に慣れていなかったり、このプレッシャーに慣れていなかったりする選手もいるかもしれないけれども、やはりチームが一丸となって、この流れを変えるために働き続けるしかない。それしかないと思っている。ここでいい結果が出れば、そこからチームはきっと前に進めると思うので、もちろん今は難しい状況だけれども、続けていくしかないと思う」

 取材対応中、通訳がスペイン語を日本語に翻訳している間に、イニエスタは大きなため息をついて天を仰いだ。バルセロナ時代にも公式戦7連敗という経験はほとんどないか、あるいは全くないはず。彼にとっても未体験のゾーンに突入し、精神的にも追い込まれているのかもしれない。

「もし来週の横浜F・マリノス戦に勝ったら、状況がガラッと変わるかもしれないし、負けても続けていくしかない。人生においてもずっと勝っている時は全てが素晴らしく、七色に見えるけれど、こういう難しい時に結局は、ずっと泣いているわけにもいかないので、続けていくしかないのかなと思う」

 自身は怪我から復帰したばかりでコンディションは万全ではない。それでもキャプテンとしての責任感を胸に、鹿島戦に間に合わせてピッチに立った。神戸はいかにして浮上のきっかけを掴むか。迷い込んだ「トンネル」の闇はまだ深い。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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