CL出場へ。課題はどこに?
敵地で貴重な勝利を挙げたミランは、これで勝ち点を「62」まで伸ばした。3位のアタランタとは勝ち点差「3」、1試合未消化のインテルとは「1」の差となっている。
現在3位のアタランタは次節、王者のユベントスと対戦する。対してミランはセリエB降格が決まっているフロジノーネとの対戦。後者からすれば、CL出場圏内浮上へ、またとないチャンスである。
また、セリエAは勝ち点で並んだ場合、得失点差ではなく、まず当該チーム間の勝ち点が優先されている。そのためアタランタがユベントスに敗れ、ミランがフロジノーネに勝利すれば、後者は必然的にアタランタより上の順位に位置することができる(今季ミランはアタランタに対し1勝1分の成績)。ミランの運命は、まさに次節ということになるかもしれない。
いずれにしろCL圏浮上のカギは、他クラブの結果次第ということになってしまう。とはいえ、ミランが最も気を付けなければならないのは、勝ち点の取りこぼしだ。相手が19位のフロジノーネだからといって、油断があってはならない。
フィオレンティーナ戦でもそうだったが、ミランの課題は攻撃面の質だ。この日もシュート数15本放っているにもかかわらず、1点は明らかに少ない。チャルハノールやフランク・ケシエなど2列目の選手が絡んでくるあたりまでは良いのだが、その後のアイデア不足はかなり深刻。サイドから崩してもクロスの質がイマイチだったりと、自分たちでチャンスを消してしまうというシーンが、今季のミランは少なくない。
そして、スソが何らかの理由で欠場した場合のオプションの無さもかなり致命的だ。今季の残り試合は少ないが、そのあたりは改善が必要になってくるだろう。
ただ、CL出場権獲得へのチャンスを迎えているのは紛れもない事実。ミランは今シーズンを名門復活への第一歩としたいところだろう。
(文:小澤祐作)
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