同点の危機を迎えるも…
そして、その勢いを維持したままミランは待望の先制ゴールを奪うことになる。35分、ティエムエ・バカヨコからのパスを受けた右サイドのスソが中央へ鋭いクロスを送る。これに反応したチャルハノールが頭でボールを逸らし、ゴールへと吸い込まれた。
1-0としたミランは、その後も相手にカウンターのチャンスすら与えない完璧な時間を過ごした。結局、前半はシュート11本を放ち、支配率59%を記録している。対してフィオレンティーナにはわずか2本のシュートしか許していないなど、攻守両面でホームチームを圧倒していた。
しかし、後半は一転してフィオレンティーナに押し込まれる展開となった。51分にはクリスティアーノ・ビラーギからのパスを受けたキエーザがマークを外して強烈なミドルを放つ。その3分後にもキエーザのスルーパスに抜け出したケビン・ミララスがあわや同点弾というシュートを放つなど、ミランはフィオレンティーナのサイド攻撃に対し圧倒されてしまった。
その後もミランは、フィオレンティーナに押し込まれる。キエーザのスピードに乗ったドリブルはかなり脅威となっており、深い位置まで侵入されてはシュートまで持ち運ばれるなど、いつ同点に追いつかれてもおかしくはなかった。GKジャンルイジ・ドンナルンマのセーブに助けられたシーンも多かった。
後半だけでシュート11本を浴びたミラン。それでも、なんとか耐えきった。結果、アウェイチームは1-0の逃げ切りに成功。CL出場権獲得へ向け、大きな1勝を手にすることになった。
勝負の分かれ目は前半の45分間だっただろう。凄まじい勢いを持っていたその時間帯にゴールが生まれたことが、何よりの救いだった。
なかでも立役者はスソだ。果敢な仕掛けと左足から放たれる鋭いシュートとクロスは、相手の脅威になり続けた。背番号8はこの試合で、シュート数3本、パス成功率82%の成績を収め、決定的なパスの本数は驚異の5本となっているなど、攻撃面での存在感は抜群。先制点を生むきっかけになったクロスも、見事の一言であった。