ミランが抱えた大きなプレッシャー
フィオレンティーナとの対戦を控えていたミランに飛び込んできたニュースは、決して良いものではなかった。この試合の前、同クラブと同じくチャンピオンズリーグ(CL)出場権を狙うアタランタがジェノアに、そしてラツィオがカリアリにそれぞれ勝利を収めていたからだ。
もちろん、彼らの結果に関係なく、ミランは勝ち点3を狙いに行ったことだろう。ただ、「アタランタとラツィオがしっかり勝利を収めてきた」という事実が、ミランに与えるプレッシャーをさらに大きくしたことは間違いない。
実際、ミランの試合の入りは非常に固かった。守備時には4-5-1で対応してくるフィオレンティーナに対し、効果的な縦パスを入れることができない。最終ラインから前線へ一気にロングボールを送っても、すぐにゴールラインを割ってしまうという繰り返しだった。
一方フィオレンティーナの左サイドを中心とした攻めに手を焼いたミラン守備陣。1トップのルイス・ムリエルと左ウィングのフェデリコ・キエーザは試合の中で何度かポジションを入れ替えるため、アウェイチームの守備陣はマークの確認が少し曖昧になっていた。4分には左サイドからムリエルにドリブルを仕掛けられ、シュートまで持っていかれるなど、第24節以降白星がないフィオレンティーナに苦戦を強いられた。
それでもミランは15分が経過したあたりからリズムを掴み始める。全体の距離感をコンパクトに保ち、セカンドボールもうまく回収。攻撃時にはやや空きがちとなっていた1ボランチのエジミウソン・フェルナンデスの脇のスペースを突き、果敢にゴールへ迫った。20分にはスソ、23分にはハカン・チャルハノールが絶妙なシュートを放っている。いずれもGKアルバン・ラフォンのセーブに阻まれたが、押し込まれていた立ち上がりが嘘のように、流れは完全にミランへと傾いた。