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チェルシー対フランクフルト、熱戦の行方は? 長谷部誠は小野伸二以来のEL決勝進出なるか【EL準決勝プレビュー】

ヨーロッパリーグの準決勝2ndレグ、チェルシー対フランクフルトが現地9日に行われる。1stレグはドイツでドロー、次なる戦いの舞台はロンドンとなる。勝負の行方は? そして長谷部誠は2001/02シーズンの小野伸二以来、日本人で2人目の欧州カップ戦決勝の舞台に立てるだろうか。

text by 編集部 photo by Getty Images

1stレグ直後のリーグ戦で分かれた明暗

長谷部誠
長谷部誠はフランクフルトの一員としてヨーロッパリーグ決勝進出を目指す【写真:Getty Images】

 画面が割れるのではないかと錯覚するほどの熱狂を感じ取ることができた。5月2日に行われたヨーロッパリーグ(EL)の準決勝1stレグ、木曜日夜のコメルツバンク・アレーナに集ったフランクフルトのファンは最高の雰囲気を作り出した。

 選手たちもそれに応えるように、序盤は格上と見られていたチェルシーに対して果敢に挑んでいく。そして23分、自陣右サイドでボールを奪ったフランクフルトは一気に左へ展開し、フィリップ・コスティッチがドリブルで駆け上がる。

 背番号10のセルビア代表MFは得意の左足で鋭いクロスを送り、中央でルカ・ヨビッチが低い体勢でヘディングシュート。圧倒的なホームの後押しを受けて、チェルシー相手に幸先良く先制ゴールを奪った。ここまでは考え得る限りで最高の滑り出しだった。

 ところが徐々に流れはチェルシーに傾いていく。アウェイに乗り込んできたプレミアリーグの強豪は中盤で先発起用されたルベン・ロフタス=チークの馬力が生み出すフランクフルトの歪みにつけ込み、各ポジションでの質的優位性をもって相手の勢いを抑え込もうとしていった。

 そうして生まれたのが前半終了間際の45分のゴールだった。コーナーキックからこぼれ球をロフタス=チークが拾い、筋骨隆々の肉体を駆使して粘りのキープ。そこから繰り出されたラストパスを、ベテランのペドロが右足でコントロール。最後は素早く左足を振り、ディフェンスの隙間を縫うシュートがフランクフルトのゴールに収まった。

 後半は完全にチェルシーのゲームになった。フランクフルトにとっては1点リードで終われるはずだった前半終了の直前に許した痛恨のアウェイゴールが、その後も尾を引いてしまった。スコアは1-1。イーブンではありながら、敵地で1点を奪ったチェルシーが優位に立って、戦いの場をロンドンへ移すこととなった。

 もちろん2ndレグは9日に開催されるので、両チームともELの合間の週末に国内リーグの試合がある。フランクフルトはレヴァークーゼンとの上位対決、チェルシーはワトフォードとの一戦があった。この2試合の結果は明暗分かれた。

 1-6。フランクフルトは完膚なきまでに叩きのめされた。アディ・ヒュッター監督は、ELから中2日で迎えた敵地バイ・アレーナでの一戦でスタメンを5人変更し、最終ラインにセンターバックとしての適性を持つ選手を5人並べる極端に守備的な戦術を採用した。

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