バレンシアも武器は速攻
一方のバレンシアはやはりスピーディーな攻撃を仕掛けたいところである。1stレグでカウンターからロドリゴ・モレノやゴンサロ・グエデスの2トップが存分に怖さを発揮していたことからも、2ndレグでも恐らくそうした戦い方を徹底してくるはず。とくにグエデスのスピードは脅威となるはずだ。
また、狙いたいのは相手のWBとCBの間のスペース。アーセナルのWBはかなり高い位置を取るため、そのエリアにはどうしても空きが出てくる。そこをグエデスがサイドに流れる、あるいはサイドバックのホセ・ルイス・ガヤやクリスティアーノ・ピッチーニといったあたりが高い位置を取り効果的に使いたいところだ。
守備時に警戒しなければならないのはエジルだろう。1stレグでは中盤でドイツ人MFに大きな自由を与えてしまい、そこでボールをキープされたりサイドに散らされたりと、バレンシアの守備陣はかなり揺さぶられてしまった印象だ。
エジルは主に中央にポジショニングすることがほとんどだが、場合によってはサイドに流れたり、ボランチのような位置まで下りてきて組み立てに加わるなど幅広いエリアを動き回ることができる選手だ。1stレグではその動きを繰り返す背番号10に対しマンマークで付く選手がおらず、マークの受け渡しも決してスムーズに行えているとは言い難かった。逆転での決勝進出へ向け、マルセリーノ・ガルシア監督がいかに修正してくるかは、キーポイントとなりそうだ。
確実なのは、この一戦は激しい“速攻対決”となることだ。果たしてどちらのチームが、ファイナルへと駒を進めることになるだろうか。
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