しかしそのコンパニのゴールで試合は動く
時計が後半の折り返し地点にまで近づいた時点でシティを相手に0-0というのは悪い結果ではない。むしろ上出来だった。しかし皮肉なことに、攻撃能力が低いとしてボールを持たせていたコンパニのところから試合が動いた。
70分、コンパニがファイナルサードでボールを持つものの、ヴァーディーもレスターもプレスにいかない。コンパニから精度の高いパスやシュートは来ないものと割り切っていたからだ。ただし優勝がかかる大一番でキャプテンは結果を残した。ボックス手前から放たれたミドルは見事レスターのゴールに突き刺さった。
実はこのゴールの瞬間、セルヒオ・アグエロをはじめ複数の味方選手が「やめろ!打つな!」と叫んだという。というのもコンパニ、実はシティに移籍してから一度もボックス外からゴールを決めたことがなかったからだ。ペップ・グアルディオラ監督も「正直決まるとは思わなかった」と試合後に笑いながら語っている。
レスターとしてはかなり上手く守っていたが、キャリアで1度あるかないかのシュートを決められたのは正直アンラッキーだ。ただ戦術的には機能していたが、敗れるというのもサッカーには時折ある。
【次ページ】褒めるべきはコンパニの勝負強さ