主な出来事
クラブ史上初となるJ2降格を喫した名古屋グランパス【写真:Getty Images】
この年、「オリジナル10」の一角である名古屋グランパスが不振に陥った。小倉隆史体制で新シーズンのスタートを切った同クラブは、開幕節のジュビロ磐田戦で勝利を収めたものの、その後は不安定な戦いぶりが続いた。1stステージ第10節、対横浜F・マリノス戦では勝利を挙げたが、それ以降18試合勝ちなしとなるなど一気に降格圏に沈んだ。8月には小倉監督が休養を発表し、後任にはボスコ・ジュロヴスキーが就いた。
その後、名古屋は田中マルクス闘莉王の復帰を発表。頼れる男の帰還で一時は成績も回復したが、やはり前半戦の取りこぼしが響き、降格圏から抜け出せない状況が続く。そして最終節の対湘南ベルマーレ戦を落としたことで、年間16位以下が確定。クラブ史上初のJ2降格が決まってしまったのである。
J3では一人の男がある記録を残した。バルセロナの下部組織に所属していた経歴を持ち、2015年よりFC東京の下部組織に入団していた久保建英が11月5日に行われたJ3リーグ第28節、対AC長野パルセイロ戦に後半開始から出場したことで、Jリーグ史上最年少出場記録を塗り替えたのだ(15歳5ヶ月1日)。若き天才レフティーはこの翌年にFC東京とプロ契約を結ぶことになった。
そして11月には2017シーズンよりアスルクラロ沼津のJ3参入が正式に発表された。同クラブには元日本代表でジュビロ磐田などで活躍していた中山雅史が所属していたことから、「ゴン中山のJリーグ復帰」が話題を呼んだ。
また、2015シーズンより復活していた2ステージ制が廃止となったのもこの年だった。村井満チェアマンは「日程面の限界」を廃止の理由として挙げたが、もちろんそれだけでなく、イギリス・ロンドンに本社を置くパフォームグループの『DAZN(ダ・ゾーン)』がJリーグの放映権を取得し、10年総額2100億円の放映権契約を締結したことも1ステージ制に戻す一つの理由となった。わずか2年での2ステージ制廃止はJリーグの迷走ぶりを世にさらけ出す結果となってしまった。