J1昇格プレーオフ準決勝

　この年のJ1昇格プレーオフ準決勝はJ2で4位に入ったジュビロ磐田、同6位に入ったモンテディオ山形によって行われることになった。ヤマハスタジアムで行われたこの一戦を観ようと、会場には11,239人もの観客が足を運んだ。

　試合は26分に動く。ディエゴへのスルーパスは八田直樹がクリアしたが、こぼれ球を拾った右サイドの山田拓巳がクロス。これを受けたディエゴが頭で合わせ、山形が先制に成功した。

　しかし1年でのJ1昇格を目指す磐田も意地を見せる。前半AT、駒野友一が放ったミドルシュートのこぼれ球を、ゴール正面の宮崎智彦が拾い、左足でミドルシュート。再びこぼれたボールを最後はエリア内の山崎亮平が左足で押し込み、前半のうちに同点に追いついた。

　1-1で迎えた後半は、お互いに攻め続けるが得点は生まれない。そして時間はついにATに到達。磐田は引き分けでも昇格PO決勝に進めるため、時間稼ぎに入る。一方山形は最低でもあと1点が必要な状況だった。

　しかし、アウェイチームがここで奇跡を起こす。後半AT、山形にCKのチャンス。石川竜也が蹴ったボールはニアサイドへ飛んだが、これを攻撃に参加していたGK山岸範宏が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。

両チームスタメン

モンテディオ山形
GK：山岸範宏
DF：山田拓巳
DF：當間建文
DF：石井秀典
DF：石川竜也
MF：ロメロ・フランク
MF：宮阪政樹
MF：キム・ボムヨン
FW：山崎雅人
FW：ディエゴ
FW：川西翔太

　劇的な形で磐田に勝利を収めた山形は、その後行われた昇格PO決勝でもジェフユナイテッド千葉に勝利し、4年ぶりのJ1昇格を決めた。

　磐田戦で生まれたGK山岸の土壇場ヘディング弾は今もなお伝説的なゴールとして人々の記憶に残り続けている。