主な出来事
2011年のJリーグ結果
この年の最も大きなトピックは、間違いなく東日本大震災だろう。開幕戦を終えた直後の3月11日に、宮城県沖でマグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測至上最大の大地震が起きた。地震のみならず東北地方の太平洋側を襲った津波や、福島県の東京電力福島第一原発での事故などの影響は日本社会全体に及び、サッカーも例外ではなかった。
Jリーグはまず地震翌日から2日間にわたって予定されていたJ1およびJ2第2節の全試合中止を決定。その後、福島第一原発以外でも東京電力管内の多くの発言所で地震の影響が出て、日本では65年ぶりの計画停電が実施される運びとなった。
それによって日本全国で深刻な電力不足に陥り、Jリーグも興行を開催できる状況ではなくなる。3月14日には同月内に予定されていたリーグ戦やカップ戦全試合の中止も決定された。その後、3月22日には計画停電や東北地方や関東地方のクラブが被災したことも踏まえ、4月20日までに予定されていた全てのリーグ戦やカップ戦の中止が発表された。
4月23日、Jリーグが再開する。本拠地のある仙台市が被災し、ホームスタジアムも被害を受けた仙台はアウェイで川崎Fと対戦し2-1で勝利。仙台の手倉森誠監督は、試合終了とともにスタッフらと抱き合って大粒の涙を流した。
その仙台は開幕から12試合連続無敗(6勝6分け)で一時は首位に立つ快進撃を見せた。さらにJ2から復帰1年目の柏もスタートダッシュに成功し16試合目まで、ほとんどの節で首位に立ち続ける。だが、仙台は13試合目でシーズン最初の敗戦を記録すると、急失速して優勝争いからこぼれ落ちていく。
中盤から上位に現れたのは横浜FM。木村和司監督に率いられたトリコロール軍団は17試合目が終了した時点で柏から首位の座を奪い取った。その後、序盤は振るわなかったG大阪が強力な攻撃力を武器に台頭、前年度王者の名古屋も意地を見せ、優勝争いはこの2クラブと柏、横浜FMを合わせた4クラブに絞られた。
最終的に頂点に立ったのは柏だった。2年ぶりに最終節までもつれた優勝争いだったが、自力優勝の可能性を残していた柏が浦和を下し、J2から復帰1年目で即J1制覇という偉業を成し遂げた。東日本大震災の大きな影響を受けた仙台は、クラブ至上最高のJ1・4位に入り被災地復興の象徴として勇気を与えた。
残留争いは序盤から低迷した福岡と山形が、他のチームに大きく引き離された。福岡が4試合を残して、山形は3試合を残した段階でJ1降格が決まっている。残る1枠は終盤までもつれ、浦和と甲府の争いに。J屈指の予算規模を誇る浦和は終始苦しいシーズンを送ったが、最後に意地を見せて甲府を振り切って残留決定。甲府は1年でJ2へ戻る、厳しい現実を突きつけられた。
J2は前評判どおり、圧倒的な戦力を揃えたFC東京がいち早く1年でのJ1復帰とJ2制覇を決めた。また、J2クラブとしては初めて天皇杯優勝も成し遂げ、翌年は昇格組ながらAFCチャンピオンズリーグに出場することになる。
FC東京を除いた残る2枠をめぐる争いは熾烈だったが、千葉や栃木が失速して脱落。鳥栖は後半戦に16試合負けなしの快進撃を見せて2位で初のJ1昇格を決めた。最後の1枠は最終節まで縺れたが、札幌が王者FC東京を下し、徳島が岡山に敗れたため、札幌が4年ぶりとなるJ1への挑戦権を掴んだ。