この年、世の中では何が?
本田圭佑はデンマーク戦で無回転フリーキックを決めて日本代表のW杯16強進出に貢献【写真:Getty Images】
2010年は大きなスポーツイベントが2つあった。1つ目は冬季のバンクーバー五輪。日本は金メダルこそ獲得できなかったものの、女子フィギュアスケートの浅田真央、スピードスケート男子500mの長島圭一郎、スピードスケートの女子パシュート団体で銀メダルを獲得。スピードスケート男子500mでは加藤条治が銅メダル、フィギュアスケート男子では高橋大輔が銅メダルに輝いた。
そしてサッカー界では、4年に一度の祭典があった。南アフリカワールドカップではスペイン代表が、EURO2008からさらに強くなった姿を見せて初優勝を飾った。日本代表はグループリーグでオランダに敗れたものの、カメルーンとデンマークを下してベスト16に進出。2大会ぶりとなる決勝トーナメント1回戦ではパラグアイにPK戦の末敗れたが、新たな時代の始まりを予感させた。
グループリーグ初戦のカメルーン戦では松井大輔のお膳立てから本田圭佑が決勝ゴール。第3戦のデンマーク戦では本田が強烈な無回転フリーキックを沈め、遠藤保仁も直接フリーキックを決めた。終盤に1点差に迫られるも、最後は岡崎慎司のダメ押し弾で3-1の勝利を収めた。
ラウンド16のパラグアイ戦は0-0のまま延長戦も戦って、PK戦に突入。日本は3人目の駒野友一のPKがクロスバーを叩いてしまい、惜しくも初のベスト8進出を逃した。それでも岡田武史監督が大会直前に決断したシステム変更、中村俊輔や楢崎正剛をレギュラーから外した決断は、のちの日本サッカーの運命を変えたかもしれない。
スポーツ以外では小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還し、鈴木章、根岸英一の日本人2人がノーベル化学賞を受賞、東北新幹線の八戸-新青森間が開通するなどポジティブな話題が多かった一方、2010年の漢字は「暑」だった。これは観測史上1位の猛暑で熱中症にかかる人が続出したことが1年の大きなトピックだったからだ。
【了】