それでも結果を残すメッシ
ただメッシはメッシだった。単純な突破では勝てなくとも、ゴールを奪うことができるのがこの男の凄さでもある。
2点目の場面ではDFとMFの間で上手く浮いたポジションを取ってボールを引き出すと、ボックス内へ走り込むセルジ・ロベルトにスルーパスを供給。そのシュート自体は決まらず、最終的にこぼれ球がメッシのもとに転がり、無人のゴールに流し込んだ。
何より3点目が圧巻だった。ペナルティエリア手前の中央のセットプレーでは、さほど助走をとらなかったが、強烈なフリーキックを左上隅に突き刺した。
流れが多少悪くとも試合を決められる。さすがメッシというところだろうか。なにより驚いたの決定機を決めきる精度だ。決定力は31歳にしてなお成長し続けている。
最終的に0-3となったが、リバプールとしては悪いパフォーマンスではなかった。この事実を「悪いパフォーマンスではないのに0-3になってしまった」ととるべきか「2ndレグに期待」ととるべきかは悩ましいところだが、次の開催地はなにせアンフィールドである。
筆者も何度か現地に足を運んでいる。もちろんメインスタンドにもゴール裏にも座ったことがあるが、その熱狂的な雰囲気はプレミアリーグのなかでも異次元だ。もう理屈ではないが、何かが起きそうな雰囲気がそこにはある。
1stレグは得点できなかったが、ホームでの一戦にはロベルト・フィルミーノも帰ってくるはず。前半の早い時間帯に点をとることが出来れば、そしてファン・ダイクを中心に堅固な守備を披露できれば。共に歩むファンの大声援を背に、リバプールが大逆転劇を演じる可能性は十分にある。
(文:内藤秀明)
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