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不調のアーセナルを救ったトリオ。バレンシアに勝利…それでも残された課題と最大の問題点

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

2ndレグへ向け課題は?

 EL決勝へ向け、大きく前進したアーセナル。しかし、まだ課題は山ほど残されている。

 たとえばセットプレーの弱さ。この日の失点もコーナーキックからの流れであり、69分にも同じくコーナーキックからあわやといったシーンを作られている。2ndレグでは2点のリードがあるとはいえ、ここの改善は求められる。

 また、個人的なミスも目立つ。マテオ・ゲンドゥージなどは中盤で不用意なボールロストを犯すシーンも多く、そこからカウンターに繋げられてしまうといったこともあった。まだ若く、こうした舞台でミスを犯すことで学ぶことも多くあるだろうが、やはりそうしたことはできる限り減らしていきたいところだ。

 そしてアーセナルにとって最も重くのしかかるのが疲労。この日も後半は疲れのせいか勢いが落ちた印象は否めなかった。怪我人が多いうえにリーグ戦、ELと短い期間で多くの試合をこなすことで、選手の体にも相当な負荷がかかっている。もちろん疲労が溜まったままの状態だと怪我を負いやすくなってしまうため、ウナイ・エメリ監督はうまくローテーションしながらゲームをこなしていきたいところである。ただ、CL出場権獲得へ向けこれ以上リーグ戦は落とせないし、ELも優勝を目指すためにはベストメンバーで挑むことが最適だ。そうした点を踏まえても、エメリ監督は選手起用に頭を悩ませることになるかもしれない。

 いずれにしてもEL決勝進出に大きく近づいたのは紛れもない事実。2ndレグは鬼門のアウェイゲームとなるが、どのような戦いを見せるのだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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