この年、世の中では何が?
日本代表はウズベキスタンの地で南アフリカワールドカップ出場権を獲得【写真:Getty Images】
サッカー界ではビッグな話題が続いた。6月3日、ミランのカカーが当時歴代2位となる移籍金6500万ユーロでレアル・マドリーに加入。さらに、8日後にはクリスティアーノ・ロナウドがカカーの記録を大きく超え、当時の歴代最高額となる約9400万ユーロの移籍金でマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリーへ移籍した。
この2つの移籍の間には、日本代表が翌年の南アフリカワールドカップ出場権を獲得した。6月6日、ウズベキスタンの首都タシュケントで行われたアウェイでのアジア最優予選の試合に1-0で勝利した岡田ジャパンは4大会連続となる世界への切符を掴み取った。
欧州ではさらにスペイン代表がEURO 2008で、無敵艦隊の時代到来を印象づける優勝を成し遂げた。当時のチームで中心だったアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレスは今やJリーグでプレーするようになっている。
一方で悲しい話題も多かった。8月には遠征先のホテルでエスパニョールのDFダニエル・ハルケが急性心筋梗塞で突然亡くなり、サッカー界は悲しみに暮れた。親友だったイニエスタはEURO決勝のオランダ戦延長後半に決勝ゴールを決めて、ハルケへのメッセージを記したアンダーシャツを披露した。
また長くうつ病で苦しんでいたドイツ代表GKロベルト・エンケは、ハノーファーの自宅近くにある踏切に飛び込んで自ら命を絶った。現役ドイツ代表選手の自殺は世界中に大きな衝撃をもたらした。
「キング・オブ・ポップ」と呼ばれたマイケル・ジャクソンさんの死も社会現象となった。日本では酒井法子が覚せい剤取締法違反の罪で起訴され、泥酔した状態のまま公園で全裸になって奇行に及んだ草なぎ剛が逮捕されるなど芸能界のスキャンダルも多かった。
また、この年の衆議院総選挙で民主党が大きく議席を伸ばした。これにより自民党から政権交代がなされ、「政権交代」は流行語にもなった。選挙による政権交代が実現したのは初めてのことだった。
こちらも流行語になった民主党政権の「事業仕分け」では、様々な事業の予算が次々と削減された。文部科学省予算仕分けの際には、計算速度世界一を目指す次世代スーパーコンピュータ(スパコン)の研究開発予算267億円の妥当性を審議している最中に、蓮舫議員の「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 2位じゃダメなんでしょうか?」という、のちにネットスラングへと派生する名言も生まれた。
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