この年、世の中では何が?
北京五輪に出場した内田篤人、本田圭佑、香川真司、長友佑都(左から)はのちのA代表の主力に【写真:Getty Images】
2008年の最も大きなイベントといえば、北京五輪だろう。男女ともに出場したサッカーでは、男子がアメリカ、ナイジェリア、オランダに3連敗を喫してグループリーグ敗退に。グループ3位で決勝トーナメントに進んだ女子は、準決勝でアメリカに敗れ、3位決定戦でもドイツに屈して惜しくもメダル獲得を逃している。
男子のU-23日本代表には吉田麻也や本田圭佑、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司、香川真司、西川周作、森重真人といった、のちにA代表を長く支える選手たちが数多く参戦していた。また反町康治監督が率いたチームはオーバーエイジ枠を1つも使っていなかった。
優勝したアルゼンチンにはリオネル・メッシやアンヘル・ディ・マリア、セルヒオ・アグエロ、フェルナンド・ガゴ、エゼキエル・ラベッシ、エベル・バネガといったスター候補たちが揃い、オーバーエイジ枠で出場したファン・ロマン・リケルメが10番を背負った。この時、メッシは15番だった。
日本とグループリーグ第3戦で対戦したオランダには、のちにJリーグで長く活躍し現在は横浜FCに所属するカルフィン・ヨン・ア・ピンがいた。ブラジルにも現名古屋グランパスのジョー、元ベガルタ仙台のチアゴ・ネーヴィスがおり、他のチームにもJリーグにゆかりのある選手や、のちに世界的なスターとなる選手たちが揃っていた。
また北京五輪では男子100m平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介の「なんも言えねぇ」が流行語に。北島は200m平泳ぎでも優勝し、レスリング女子の吉田沙保里や伊調馨、ソフトボール女子、柔道での4つも合わせて全9つの金メダルが日本にもたらされた。
天海祐希主演ドラマ『Around40』から広まった、40歳前後のことを指す「アラフォー」も流行語となり、「アラサー」や「アラフィフ」といった派生語まで生み出して現在に至るまでに一般的な言葉として定着している。
学術界では小林誠、益川敏英、南部陽一郎の3名がノーベル物理学賞受賞した。2008年は全般的にポジティブな話題の多かった1年と言えるだろう。
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