この年、世の中では何が?
決勝で退場となったジネディーヌ・ジダン【写真:Getty Images】
冬季五輪がトリノで行われた。日本選手団はなかなか結果を残せなかったが、フィギュアスケートの荒川静香が金メダルを獲得。この大会における日本唯一のメダルとなった。美しい演技で観る物を魅了し、特に「イナバウアー」という技はこの年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれるなど世間に浸透。ちなみに、上半身を大きく反らせる動作が「イナバウアー」なのではなく、荒川のあの技は「レイバック・イナバウアー」と呼ぶそうだ。
高校野球で伝説的な試合が生まれたのも2006年だ。夏の甲子園決勝で、早稲田実業と駒大苫小牧が対戦。斎藤佑樹、田中将大の両エースは互いに一歩も引かず、延長15回まで試合はもつれた。決勝戦としては37年ぶりの引き分け再試合となり、翌日に早稲田実業が勝利し大会初優勝を果たした。斎藤佑樹投手がハンカチで汗を拭う姿も注目され、ハンカチ王子と呼ばれた。
Bリーグの発足やワールドカップ出場権獲得など、日本のバスケットボールが熱い。前回ワールドカップに出場したのが、自国開催の2006年大会だ。スペインのパウ・ガソルやアルゼンチンのマヌ・ジノビリ、ドイツのダーク・ノヴィツキーなどNBAスターが参加。もちろんアメリカの陣容も凄まじく、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、カーメロ・アンソニーらが名を連ねた。当時の日本はグループ敗退となったが、今大会はどのような戦いを見せるだろうか。
ジーコジャパンが惨敗に終わったドイツワールドカップでは、ジネディーヌ・ジダンが最後の輝きを見せていた。2004年に代表を引退していたが、予選敗退の危機を救うために復帰。ワールドカップをもって現役からも退くジダンは神がかったプレーでチームをけん引する。ボールに魔法をかけ、ピッチにいるだけで相手を威圧する凄みがあった。迎えた決勝戦。イタリア戦の延長後半、マルコ・マテラッツィの侮辱的な発言による挑発に激高し、頭突きを見舞った。ジダンはこれで一発退場となった。
イタリアが勝ってワールドカップ優勝を果たしたが、ジダンが頭突きを見舞った試合、と記憶している人が多いのではないだろうか。
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