攻撃の停滞が目立ったチェルシー
この試合ではチェルシーの攻撃陣の停滞が目立ってしまった。なかでもCFゴンサロ・イグアインの出来はいただけないものとなってしまっている。やはり1トップの選手が試合から消えてしまうと、チームとして苦しくなるのは当たり前だ。
イグアインはこの日、シュート数3本放っているが枠内に飛ばしたのは1本のみ、ボールタッチ数はGKデ・ヘアを除けば両チーム合わせて最低となる28回となっている。また、デュエル勝利数はわずか1回のみ。オフサイドにも5回引っかかっており、データサイト『Who Scored』では決定的なミスを犯したデ・ヘアに次いでワースト2位となる「6.1」のレーティングが与えられてしまっている。
ポストプレーも下手ではなく、スペースを有効活用するうまさも兼ね備えているイグアインだが、やはり味方との連係がまだ不十分である感じは否めない。オフサイド回数の多さ、ボールタッチの少なさはまさにそれを表している証拠だろう。
もちろん良い位置にポジショニングしていてもボールが運悪く入ってこないということもある。ただ、ボールが来た際に仕事がこなせないとなると、味方からの信頼は確実に失ってしまう。ミラン時代もそうだったが、自分でボールをロストし、フラストレーションを溜め込みうまく試合に溶け込めないということがしばしばあった。間違いなく良いFWではあるのだが、味方との呼吸をうまく合わせ、自らの感情をコントロールできなければ、今後チームにおいて厳しい立場になっていくことだろう。
リーグ戦は残り2試合、そしてヨーロッパリーグも残っているチェルシー。マウリツィオ・サッリ監督は1トップの人選に悩んでいるかもしれない。イグアインなのか、アルバロ・モラタなのか、オリビエ・ジルーなのか。いずれにしても、絶対的な1トップは未だ見つかっていない。
(文:小澤祐作)
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