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チェルシーが勝てない理由。マンU戦で露呈した課題、改めて考えるべき1トップの人選

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

なんとかドロー。それでも課題の多いチェルシー

 そして11分、ユナイテッドは自分たちの勢いを失わないまま、先制点を奪取する。ポグバがボールをキープし、ルカクへパスを出すと同選手はペナルティーエリア内に走り込んだルーク・ショーへ浮き球のパスを送る。背番号23はそのボールをややマイナス方向へ落とすと、最後はこれに反応したマタが押し込んだ。

 理想的な崩しから1点を奪ったユナイテッドは、その後も試合のペースを握る。中盤でクリーンにボールを奪っては速攻に繋げ、チェルシーのDF陣を混乱に陥れた。敵陣内深くで何度かセットプレーのチャンスも得るなど、ユナイテッドが“押している”展開であったことは間違いなかった。

 チェルシーはボールこそ保持するものの、うまく攻撃の形を作り出せない。アザールにボールが収まった時は何かが起こる予感が漂ったが、それだけではどうにもならないのが事実。気づけば時間ばかりが過ぎ、時計の針は43分に差し掛かった。

 しかし、想像していなかった展開からチェルシーに1点が生まれる。43分、アントニオ・リュディガーがPA外からミドルシュートを放つ。これがGKダビド・デ・ヘアの正面に飛んだため、ノーチャンスかと思われたが、スペイン人守護神はボールをキャッチしようとしたのかまさかのファンブル。こぼれ球にM・アロンソが詰め、同点に追いついた。

 ここ最近大事な場面でのミスが目立つデ・ヘアのおかげもあり、前半のうちに同点に追いつくことができたチェルシー。後半もボールを保持し、何度かユナイテッドゴールに迫る場面もあった。

 それでも、仕上げのクオリティが足りないアウェイチーム。事実、後半は9本ものシュートを放っているにもかかわらず、枠内に飛んだのはわずか1本のみ。可能性を感じさせないプレーを何度か繰り返してしまい、ユナイテッドの脅威となることはできなかった。

 結局、試合は1-1で終了。チェルシーは負けこそしなかったが、奪った1点は相手のミスによるものと、課題の多いゲームとなってしまった。

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