警告数は最多も退場はなし
アレックス・ファーガソン監督が率いたチームは常に優秀なバックアッパーを有していたが、その中でもスタメンの選手と遜色ない質を保つフィル・ネビルの存在は際立っていた。
98/99シーズンのトレブル達成時には、“カンプ・ノウの奇跡”と呼ばれるバイエルンとのチャンピオンズリーグ決勝こそベンチのまま終えたが、ニューカッスルとのFAカップ決勝では左サイドバックとして先発フル出場し、勝利に貢献している。
また、フィル・ネビルは警告の多さでも有名だった。97/98シーズンには8枚、02/03シーズンには7枚のイエローカードを提示されたが、ユナイテッド在籍時にはレッドカードによる退場は一度もなかった。(ただし、エバートン在籍時代には3度退場している)
体を張り、泥臭いプレーも厭わないスタイルをファーガソン監督は高く評価したに違いない。この時代のユナイテッドは試合終盤に逆転や勝ち越し点を決める勝負強さが光っていたが、フィル・ネビルのような精神力を持った選手がいたからこそのものだったのかもしれない。
フィル・ネビルのような選手が控えている。そのことこそがマンチェスター・ユナイテッドの強さの証といえるだろう。
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