ポドルスキ「自分の気持ちに嘘はない」
「何事にも正直に誠実にやりなさいと小さな頃から親にも教えられてきた中で、自分が十分な存在になれていないように感じられていた。このまま続けていくようだとチームのためにも良くないんじゃないかと。逆に言えばチームが良くなると思ってこうしたので、そうなってほしいと思う。僕らにはみんなで公言している目標があるので、それに向かってここからゼロに戻して、もう一度進んでいくという意味でもこういう行動を取った。自分の気持ちに嘘はないし、そういうことです」
フィールド外のドラマはそれだけでは終わらない。クラブで最も経験豊富な存在であり、楽天の野心的なプロジェクトの中心に据えるべきスーパースターであるアンドレス・イニエスタは、埼玉での試合のメンバーになぜか名前がなかった。
(暫定なのか再び正式就任なのか定かではないが)復帰を果たした吉田孝行監督がその不在についての質問に返した言葉も、様々な憶測を打ち消すようなものではなかった。
「あまりここで何かをしゃべることはない」と吉田監督は答えつつ、「ケガの状況は言いたくないが、大きな問題ではない」と付け加えた。
負傷であれ何であれ、背番号8がいつまで欠場するのかはまだ分からない。だが間違いなくそれ以上に大きな問題は、楽天の描く壮大な戦略が順調に進行していないこと、より正確に言えば全く進み始めていないことだ。
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