この年、世の中では何が?
ペルージャに移籍した中田英寿【写真:Getty Images】
20世紀最後の冬季五輪が長野で開催された。日本は金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル4個を獲得。スピードスケートの清水宏保やモーグルの里谷多英が世界の頂点に立つ中、スキージャンプチームも金メダルを獲得。4年前の雪辱に燃えていた。
1994年リレハンメル五輪。ジャンプ団体戦で日本はあと一歩のところで金メダルを逃がした。2位を大きく突き放していたが、原田雅彦のジャンプは記録が伸びず。まさかの逆転を許し、銀メダルに終わっていた。そして4年後の長野。原田はK点越え、137mの大ジャンプを見せ、金メダルを手繰り寄せた。次のジャンパー・船木和喜への「ふなき~、ふなき~」という声援も話題となった。
平成といえば怪物・松坂大輔だろう。横浜高校3年時に出場した夏の甲子園では、エースとして圧巻の活躍を披露。準々決勝でPL学園高校に延長17回、250球を投げきり勝利した。決勝の京都成章高校戦でも圧倒的な力で59年ぶり史上2人目となる決勝戦でのノーヒットノーランを達成。彼と同い年の選手は「松坂世代」と呼ばれる。「○○世代」といえば「松坂世代」が浮かぶ人が多いのではないか。
日本サッカー界では、代表チームがワールドカップ初出場を果たし、エースの中田英寿がセリエAに移籍するなどエポックメイキングな年となった。一方で横浜フリューゲルスがスポンサー企業の経営不振のため消滅することとなった。地域密着を謳う中でこのような事態に直面。ファン・サポーターにとってはやりきれないものがあるが、日本国内におけるサッカークラブのあり方を改めて考えるきっかけとなった。
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