CL出場権獲得はなるのか?
今思えば2016年にレスターが優勝できた大きな要因として、クラウディオ・ラニエリが選手たちに週休二日も与えていたのも大きかったのだろう。彼らもジェイミー・ヴァーディー、リヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテなど、特定の選手の身体能力にかなり依存するサッカーだった。
さて身体能力依存のサッカーでいうとユナイテッドも同様だ。一人に依存しているわけではないが、攻撃が2~3人の身体能力任せという部分はほぼ変わらない。
ポグバが高い身体能力をいかして強引にドリブル突破してカウンターの場面を作り、ラッシュフォードが俊足をいかして抜け出す。多少の工夫はあっても基本はこれしかない。だからこそ過密日程でコンディションが落ちれば、結果にもろに響く。今季はワールドカップイヤーだったため、疲労のダメージはなおさら大きい。
可能なら選手をローテーションさせたいところだが、直近5年でデイビッド・モイーズ、ルイス・ファンハール、ジョゼ・モウリーニョ、オレ・グンナ・スールシャールと、監督をころころ変えてきたため、補強に一貫性がなく、実質起用できる選手が他のクラブに比べて少ない。
これらの事実を鑑みれば、シーズン終盤にユナイテッドのパフォーマンスが落ちることは、今思えば自明だったのかもしれない。
ユナイテッドはダービーで負けたことによってCL出場権獲得に遠のいたが、まだ不可能と決まったわけではない。アーセナルがウォルバーハンプトンに1-3で敗戦を喫したこともあり、週末のチェルシー戦で勝利を収めることができればまた可能性は出てくる。
チェルシーもチェルシーでヨーロッパリーグによる過密日程が原因で、エデン・アザールのコンディションが安定せず苦しんでいる。ここ9戦でわずか2勝しかユナイテッドはできていない不調の状態ではあるが、チェルシーも万全ではないため可能性はあるはず。残り3試合、なんとか勝ち点3を積み重ねることで、4位に順位を近づけ、良い形でシーズンを終われればいいが……。
(文:内藤秀明)
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