コンディション不良は死活問題に
直近のユナイテッドは体力のある前半のうちに激しいプレスでミスを誘発したり、前後運動を繰り返すオープンな展開に持ち込んだりすることで、序盤にチャンスを作ることが多い。
バルセロナ戦の2ndレグでも今回マンチェスターダービーでも、序盤はカウンターがハマることでシュートチャンスを作った。ただ結局決定機を決めることができなかったのは、能力がトップレベルの選手に比べると足りなかったと言わざるを得ない。
逆にいうとチャンピオンズリーグ・ベスト16、パリSGとの2ndレグで勝つことができたのは、運にも恵まれ、開始2分とかなり早い時間帯に先制できたことが大きかったのだ。
とはいえユナイテッドにも8連勝するなど勝てていた時期はあった。当時と変わった部分でいうと、単純にカウンターの場面が減ったこと。そして前線の選手たちのプレーにミスが増えたことだろう。その理由としては疲労によるコンディション不良が大きい。特にユナイテッドのようなチームにとってコンディションは他のチーム以上に死活問題なのだ。
少し話が逸れるようだが、一つ面白いデータを紹介したい。今季のプレミアリーグにおいてマンチェスター・シティやアーセナルを相手にアウェイで勝利を収めるなどジャイアントキリングに成功しているクリスタル・パレスは、平日開催の試合で今シーズン1回しか勝てていない。
その理由は彼らの戦い方にある。クリスタル・パレスの基本的な戦い方は、9人~10人で死ぬ気で守って攻撃は基本的にウィーフレッド・ザハの身体能力任せ。ロイ・ホジソン監督はシンプルだがこれを徹底させている。
ちなみに守備も緻密な戦術などはなく、単純にフィジカル自慢を多数配置して走り回らせている。直近は右ウイングに本来は守備的MFのジェームズ・マッカーサーを配置することで、攻撃面の貢献をある程度捨て守備面を強化するほどの徹底っぷりだ。
結局パレスのような攻守共にフィジカルに依存するようなクラブは過密日程になると疲労でチーム全体のパフォーマンスが一気に落ちるので勝てなくなる。だからミッドウィークは面白いくらいに勝てない。