浦和戦で得た手応え
だが現実は、開幕からわずか2ヶ月足らずの監督交代。今月17日、リージョ監督との契約を解除し、吉田監督が再度指揮を執ることになった。元ドイツ代表のMFルーカス・ポドルスキがキャプテン返上をツイッターで発表するなど、チームの混乱が小さなものではないことがうかがえた。その中での戦いであったことも考えれば、悲観すべき内容ではなかったはずだ。
特に選手たちが手ごたえを感じていたのが、指揮官が「自分たちが今までファンマ(リージョ前監督)体制でやってきた攻撃のベースは何も変えていないです。守備のところで、切り替えで、奪われたところでもう少しプレスに行ったり、全体をコンパクトにすることなどをうるさく見ながらやってきました」と短い時間で注力してきた守りの部分だ。
「ディフェンス面で改善を意識できるようになったかなと。今日もほとんど、チャンスを相手にクリエイトさせていなかったので、この調子で続けていければなと思っています」とサンペール。守備面での問題を指摘されることもあったスペイン人だが、この試合ではそれを感じさせることはなかった。
今季リーグ戦初先発だったFW小川慶治朗が「ハードワークできていましたし、行き所というのはサイドに振られたら後手に回るところもあったんですけど、誰がどうアプローチしていくかが明確になっていたと思うので。そういう部分では手ごたえも感じています」と語るように、しっくりくる部分もあったのだろう。
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