今季は大きな飛躍を遂げるはずだった
圧倒的にボールを支配していたのは神戸だった。後方からパスをつなぎ、浦和の選手たちを自陣にくぎ付けにする。パスも面白いように回り、シュートも相手の5本を上回る12本を放った。課題だった守備も前半10分に、DF大﨑玲央が足を滑らせた流れからPKで1点こそ奪われたが、前節までの3試合で9失点をしているチームには見えなかった。
吉田孝行監督は「試合は全体的に自分たちがボールを持ちながらできたと思います。ただ、結果は負けたので、そこはしっかり受け止めますし、そこに向けての修正というのは当然あるので、今後もやっていかないといけない」と話した。
選手たちの反応もポジティブだった。「あそこで自分がミスしなければ、0-0で終わって勝点を取って試合を終えられていたので。自分の責任です」と前置きをした大﨑は、「試合の入りもそうですし、内容的にも自分たちの試合運びはできていた」と語った。MFセルジ・サンペールも「確かにチームとしては悪い流れにあると思うのですけど、今日はいい試合ができたと思いますし、優位な形で試合は進められたかなと思っています」と手応えを感じているようだった。
MFアンドレス・イニエスタをはじめ、FWダビド・ビジャ、セルジ・サンペールとFCバルセロナと縁の深い選手を次々と獲得した神戸。指揮官もスペイン人でポゼッションサッカーに造詣が深く、ジョゼップ・グアルディオラの師ともいわれるフアン・マヌエル・リージョ監督を据えて、バルサ化を加速させてきた。代表クラスの日本人選手も入団し、今季は大きな飛躍を遂げるはずだった。