歴代タイの独走優勝
最後は、勝利で決めた。フィオレンティーナを逆転で下し、主審が試合終了の笛を吹く。ベンチに下がっていたファン・クアドラードは、数年前の優勝セレモニーと同じように、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の頭にバニシングスプレーを撒き散らした。彼のスプレー攻撃は他の選手にも及び、クリスティアーノ・ロナウドの頭まで真っ白になっていた。
5試合を残しての優勝は、1946-47シーズンのトリノ、1955-56シーズンのフィオレンティーナ、2006-07シーズンのインテルと並ぶ歴代タイ記録だ。国内では7連覇中とただでさえ圧倒的な戦績を残していたところに、リオネル・メッシと並ぶ世界最高峰のスターを引き入れたユベントス。結局彼らは、2位ナポリに勝ち点20もの差をキープした上で8連覇を決めた。
もっともCL準々決勝アヤックス戦での敗退によって、ケチがついてしまった感があるのは否めないところだ。この試合でもショックは引きずっており、フィオレンティーナには何度もチャンスを作られた。
試合中に戦術的な修正を図って、チャンスをものにしてきっちり勝ちに繋げるのもまたユーベらしいところ。ロナウドもゴールはなかったものの、サイドに流れての鋭い突破からクロスを放ち、相手のオウンゴールを誘っている。
強さを維持して試合をまとめた反面、来シーズンに向けてチームをどう作り直すかという課題も同時に晒した。優勝を決めたフィオレンティーナ戦でのパフォーマンスは、複雑な色彩を帯びていた。