ベンフィカの「雰囲気」に助けられた
フランクフルトの長谷部誠【写真:Getty Images】
ジョアン・フェリックスは何処にいたのだろうか。
4月11日に行われたヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグで、史上最年少でハットトリックを達成した新星。だが、翻って18日にアイントラハト・フランクフルトのホームに舞台を移した2ndレグでは消えていた。その才能の片鱗すら見えなかった。
そしてフェリックスだけではない。ベンフィカというチーム自体が、1stレグで躍動した姿とは裏腹に、まるで借りてきた猫のようにおとなしかった。
そんなベンフィカについて、試合後、長谷部誠は「ホームとアウェイで全然違う顔を持ったチームになっていました」と語った。
「もちろん良い選手がいるな、というのは感じるんですけど、まあ、これくらいのレベルだったらブンデスリーガでも十分、対戦相手にいますし。うーん…。ベンフィカはどちらかというと、もうとにかくリーグ戦に集中したいというか、そういう感じはあったので、そういう相手の雰囲気も自分たちの助けにはなったかなって思います」
ELの準決勝進出を懸けた大一番。だが、両チームがそもそも抱いていた“野心”に差があったようだ。長谷部が「本当にアイントラハトの力が集結した気がする」と話したように、スタジアムに詰め掛けたフランクフルトのファンたちは、最高の雰囲気を作り上げた。