“1発”を持つリバプールは強い
76分、右サイドでボールを持ったジョーダン・ヘンダーソンが素早いクロスを中央へ送る。これを合わせたのはフィルミーノ。3-1と再びポルトを突き放した。
83分にはジェームズ・ミルナーの蹴ったコーナーキックをニアサイドでマネがフリック。最後はフィルジル・ファン・ダイクが頭で合わせ4-1に。前半の劣勢が嘘だったかのように、リバプールはゴールネットを揺らし続けたのだ。
試合はこのまま終了。2戦合計スコアで6-1としたリバプールが2季連続のCL・ベスト4入りを決めた。
現地時間16日に行われたバルセロナ対マンチェスター・ユナイテッドの一戦もそうだったが、劣勢な状況でも一発を沈め、その後自分たちのペースに持ち込み相手を一気に突き放す。こうした戦い方ができるチームはやはり強い。
リバプールもこの日、フィルミーノの投入を機に流れが一瞬にして変わったが、そこからのチームはまさに「最強」そのものだった。2点のカウンターはそれこそリバプールを象徴するようなものであり、あの1発を繰り出せることこそが強者の証だ。昨季はファイナルで涙を呑んだが、今季のリバプールにはCL王者に輝くにふさわしい強さが兼ね備えられていると言ってもいいだろう。
もちろん課題はある。フィルミーノが何らかの理由で不在となった場合、どうやって攻撃を組み立てるのかは未だに見いだせていない。この日もオリギを先発で起用したが、攻撃は明らかに停滞していた。シーズンはもう終盤で、そのポイントを今季中に修正する必要はないとは思うが、克服しなければならないのは明らかだ。
CLもいよいよ舞台は準決勝となる。リバプールはベスト4でバルセロナと対戦することが決まっている。もちろん、今まで以上に厳しい戦いとなるだろう。同クラブのレジェンドであるスティーブン・ジェラードがビッグイヤーを掲げてから14年。同じ土台に到達するまで、あと3試合だ。
(文:小澤祐作)
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