選手を守るクロップの男気
ユルゲン・クロップ(左)とロリス・カリウス(右)【写真:Getty Images】
2017/18シーズン、チャンピオンズリーグに出場したリバプール。セビージャ、スパルタク・モスクワ、マリボルと同組となったグループステージを突破すると、決勝トーナメントでも、ポルト、マンチェスター・シティ、ローマといった難敵を次々と撃破。決勝へと駒を進めた。
ウクライナ・キエフで行われたファイナルは、レアル・マドリーとリバプールの対戦カードとなった。
試合は51分、GKロリス・カリウスはスローしたボールをFWカリム・ベンゼマの出した足に当ててしまう。すると、そのボールはそのままゴールへと吸い込まれ、マドリーが先制に成功する。
1-2とリバプールの1点ビハインドで迎えた84分、ベイルが右サイドからロングシュートを放つと、正面に飛んできたシュートをカリウスは弾くことができず、マドリーに試合を決定づける3点目を許してしまった。
勝負を分けるマドリーの先制点と3点目を、“ミス”によって許してしまったカリウスには、試合後に批判が殺到。しかし、それを即座にカバーしたのがクロップだった。
「どうかカリウスのことを強く責めないでほしい。確かにとても辛いことだ。しかしこれもまた人生だ」
その後、主将・ジョーダン・ヘンダーソンや、カリウスとクロップの古巣マインツがエールとなるコメントを発信。クロップが見せた“男気”が、バッシングの嵐になっていたカリウスを守ったと言えるだろう。
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