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全てを覆したメッシ、魅せた珠玉のプレー。バルサがマンUに見せつけたクオリティの違い

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

人間離れなメッシのプレー

リオネル・メッシ
メッシはまさに別次元だった【写真:Getty Images】

 チーム、そして個の能力で明らかな差が出たこの試合。なかでも際立っていたのはやはりリオネル・メッシだろう。

 先制点の場面は圧倒的な個の力を発揮し、ユナイテッド守備陣を一人で制圧。見事の一言だった。2点目はGKダビド・デ・ヘアのミスもあったが、利き足ではない右足でのシュートで沈めたものだった。コウチーニョのゴールも起点となったのはメッシだ。

 相手の嫌なエリアに顔を出し、ボールを呼び込んではドリブル、パスで決定的な違いを生む背番号10。チームが苦しい状況にあっても一人で局面を打開し、状況をすぐさま変えることができるなど、バルセロナにとっては大きな武器となっており、世界的に見てもやはり別格の存在だと言える。

 データサイト『Who Scored』によると同選手はこの日、全体トップとなる7本ものシュートを放ち、そのうちの3本を枠内に飛ばしている。決定的なパスも1本繰り出し、パス成功率は86%を記録。その中でロングボールを6回出しているのだが、成功率はなんと100%とキックの正確性も抜群だった。

 またドリブル突破を7回仕掛けており、そのうちの6回を成功させているメッシ。もちろんこれは両チーム合わせてトップの数字だ。また球際での競り合いも15回中10回勝利しているなど、データでも別次元の成績を収めている。

 ユナイテッド戦で魅せたメッシのプレーはまさに珠玉そのもの。「メッシにとっては当たり前だ」という見方もあるかもしれないが、当たり前のことを当たり前に、ましてはCLという大舞台で発揮することの難しさを考えれば、やはり背番号10は人間離れしていると言えるだろう。

 メッシは同試合で、CL通算133試合目となる出場を果たした。これは現在ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタの132試合を上回り、バルセロナ歴代2位の記録となっている。トップに君臨するシャビの157試合までは、あと24試合だ。

 もちろんその記録を達成する前に、まずはチームを2014/15シーズン以来となるCL優勝へ導きたいところである。

(文:小澤祐作)

【了】

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