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Jリーグ 6年前

磐田DF大南拓磨は『きっかけ』を無駄にしない。傷心に届いた声援、打ちのめされて芽生えたもの

開幕からなかなか結果が出ていないジュビロ磐田だが、DF大南拓磨のパフォーマンスは決して悪くない。今季は主力として戦い、センターバックの一角で堂々たるプレーを披露。第3節・大分トリニータ戦ではレッドカードを受けるなど散々だったが、その時のある出来事が大南をさらに逞しくさせた。第7節・清水エスパルスとの静岡ダービーでは失点に絡んだものの、この日の90分間もまた彼に『きっかけ』を与えるのではないだろうか。(取材・文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

好調とは言えないスタートとなった磐田

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ジュビロ磐田【写真:Getty Images】

 経験の少なさを、高い潜在能力とスポンジのような吸収力でカバーしてきた。どんな対戦カードよりも勝利が求められる特別な一戦は、21歳の若者にとって芽生えたものを発揮する場ともなった。

 明治安田生命J1リーグ第7節・静岡ダービー。ジュビロ磐田はエコパスタジアムに清水エスパルスを迎えた。互いに好調とは言えないスタートを切っており、このライバル対決を機に浮上したいところだった。

 試合開始時点では今季まだ未勝利で最下位だった清水だが、攻守にバランスのとれた戦いを披露。迎えた36分、GKからのリスタートを最後は鄭大世が頭でねじ込み、アウェイチームが先制に成功した。さらに58分には、相手のパスミスを拾うとラストパスを北川航也が沈めて2-0とした。

 思うような攻撃を展開できない磐田だが、選手交代を行い少しずつ盛り返す。71分にはエレンのクロスをロドリゲスが頭で合わせて1点を返すと、その後もサイドから中央へボールを送り続けた。しかし、割り切って終わらせようとする清水から2点目は奪えず。1-5と粉砕された昨季リーグ戦の借りを返すことはできなかった。

「結果が全て。負けちゃいけない相手に負けてしまった」

 大南拓磨は感情を抑えながら話した。逆に悔しさが滲み出ていたようにも感じられたが、むしろここからの彼がより楽しみになった。プロ入り後初めてレギュラーでシーズンをスタートした大南は、打ちのめされた試合を糧とできる選手だからだ。

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