希望となったサラー
悲願のプレミアリーグ制覇へ望みをつないだリバプール。チェルシー相手にもぎ取った勝ち点3は、チームにとってこれ以上ないほど大きなものとなったはずだ。そして多くのものをこのチェルシー戦でもたらしたのは、紛れもなくモハメド・サラーだろう。
前半から右サイドで脅威となり続け、攻撃のリズムを生んだ背番号11。リーグ戦では6試合連続無得点という苦しい時期も味わったが、前節のサウサンプトンでゴールを決めてからというもの、同選手の勢いが増しているようにも思える。
53分に生まれたゴールは見事の一言。コース、威力ともに抜群で、GKケパ・アリサバラガからすればまったくのノーチャンスだった。あの場面で決める辺りが、サラーの勝負強さを物語っている。
もちろんゴール以外の貢献度も光った。まずは51分の先制点の場面。起点となったのはサラーだった。そしてシュート数は全体トップとなる5本、決定的なパスも全体トップの4本繰り出すなど攻撃面で圧巻の存在感を放った。
さらにドリブル成功数は4回とこれは全体2番目の数字(トップはアザールの8回)となっている。2点目のゴールが生まれたシーンもそうだったが、サラーは終始対峙したエメルソン・パルミエリを圧倒しており、相手の左サイドを幾度となく攻略した。チェルシーにとっては大きな脅威となっており、エジプト人FWを止められなかったことが、一つの敗因でもあるだろう。
サラーの活躍もあり、リバプールは暫定ながら首位に浮上した。リーグ戦の残りは4試合。対戦相手はカーディフ、ハダーズフィールド、ニューカッスル、ウォルバーハンプトンとなっており、実力的には明らかに上回っている。あとはトッテナムやマンチェスター・ユナイテッドとの対戦を控えているマンチェスター・シティの結果次第ということになるだろう。
サポーターが待ち続けたプレミアリーグ制覇へ。残り試合もサラー含めチーム全員がいつも以上の力を発揮することが求められる。
(文:小澤祐作)
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