リバプールが迎えた「山場」
ユルゲン・クロップ監督、選手、サポーター。リバプールを愛する者ならば、誰もがわかっていた。プレミアリーグ制覇へ向け、ここが最大の「山場」だと。
プレミアリーグ第34節、リバプールはアンフィールドにチェルシーを迎えた。ホームチームにとってはこれが今季リーグ戦最後のビッグ6との対戦となっており、引き分けも許されない、絶対に勝たなければならない一戦だった。
チェルシーもチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内に食い込むためにも、アウェイとはいえ勝ち点を持ち帰りたい試合だった。同じくCL出場権獲得を目指すアーセナルやトッテナムが最近は好調。そのため同クラブからすれば、ライバルに少しでもプレッシャーを与えたいところだった。
前半開始からボールを保持したのはリバプール。対してチェルシーはカウンターで相手ゴールを狙うなど、お互いの特長が入れ替わったような立ち上がりだった。
両者ともに攻守の切り替えが素早く、中盤で激しいバトルが繰り広げられる。リバプールは単純な繋ぎから崩すのが困難になると判断すると、長いボールを相手DF陣の背後に蹴り込み、サディオ・マネ、モハメド・サラーらスピードに自信を持つ選手の走力を生かしてサイドから攻略を図った。
それでもチェルシーDF陣も粘り強く対応。決定的なチャンスをあまり多くは作らせず、ボールを奪ってからカウンターという形も少なからず発揮できていた。とくにエデン・アザールにボールが収まった際には何かが起きるのではという雰囲気が漂い、チェルシーにとってはいかにして背番号10を生かすのかが大きなポイントになっていた。