「我々がやっているのは、いわばライフスタイルへの提案」
「ブランディングに関しては、4つの柱を中心に行っています」と教えてくれたのは、PSGでブランド拡大部門を統括するファビアン・アレグル氏だ。
4つの柱とは、ファッション、音楽、エンターテインメント、アート。
ファッションでは、フランスのブランドKoché、日本のストリートファッションブランドBAPEなど、国内外のデザイナーとコラボしている。
音楽では先ほど挙げたローリングストーンズなど。エンターテインメントの一例では、アメリカ映画『Justice League 』のフランス向けトレーラーに、ネイマールやキリアン・エムバペ、エディンソン・カバーニらPSGのスター選手が出演している。
またアートではスケボーのデザインなど、国内外の数々のアーティストとコラボした作品を展開している。
アレグル氏のオフィスには、それらの商品がびっちり飾られているのだが、その中にはPSGのユニフォームを着た懐かしのモンチッチもいた。
ナイキやリーヴァイスといった世界的なメーカーだけでなく、アレグル氏いわく「パリジャン的なアイテムをチョイス」するため、フランス国内だけで展開しているショップとも提携しているそうだが、根底にあるのは常に、スタイリッシュでクールなイメージを発信することだ。
「サッカーに興味がなくても、ジョーダンとのコラボ商品がかっこよければキャップをかぶってくれます。我々がやっているのは、いわばライフスタイルへの提案です」
昨年、エアジョーダンとのコラボ発表会の会見でアル・ケライフィ会長は、「あちらからうちとやりたい、と言っていただいた。ナイキ社がスポンサーになっているクラブは他にもたくさんあるのに…」と誇らしげに話したが、たしかにバルセロナもインテルもトッテナムもナイキ社のシャツだ。
ヘッドフォンのBeats by Dr. Dreとのコラボも、先方から持ち込まれた企画だったそうだが、「ブランドのほうも、彼らが求めているコラボレーターを選びますからね」とアレグル氏は言う。では、サッカーの(国際的な)成績ではパッとしないPSGがなぜこれほど求められるのか?