なかなか勝てない浦和レッズ
浦和レッズが苦しんでいる。J1リーグ戦6試合を終えて2勝2分2敗の9位。得失点差も-3になってしまった。
杉本健勇や山中亮輔、鈴木大輔といった日本代表経験のある大物を次々に獲得して注目を浴び、優勝候補の一角として期待されながらも勝ちが続かない。3バックがダメなら4バックに、とシステム変更にも踏み切ったが、これも結果にはつながらない。
5日に行われたJ1第6節では、横浜F・マリノスに為す術なく0-3の完敗を喫し、金曜日の夜に本拠地・埼玉スタジアム2002に集結したサポーターたちから容赦ないブーイングを浴びた。
浦和を率いるオズワルド・オリヴェイラ監督は「我々にとって非常に不幸な試合となってしまった。立ち上がりで、そこまでの試合でできていた守備やマークがうまくいかず、早い時間に失点して不安定になってしまった」と、試合運びのまずさを悔やんだ。
だが、問題の核心はそこにあるのだろうか。対戦相手マリノスの右サイドバックを担っていた松原健は「浦和は中に強い選手が(多い)。エヴェルトンだったりは元々サイドの選手ではないですし、自分が中に入ることによって相手のストロングポイントが出しやすそうな感じではあったので、あえてサイドに自分から引き込むような形にして、中にスペースを空けさせるイメージだった」と守備対応の狙いを振り返った。
確かに浦和は中盤にセントラルMFタイプの選手を4人起用していて、守備時は4人をフラットに並べる形、攻撃に移ると中央の2人のうち1人(主に柏木陽介)を前に出して、4-3-1-2のような陣形を作ることが多かった。両サイドバックは攻撃的だが、中盤で緩急をつけづらい人選でもあり、ドリブルでの仕掛けなど突破の迫力がない分、守る側としても狙いを絞りやすかっただろう。
前半からマリノスのペースで試合が進み、もしその流れを変えたいのであれば浦和は交代で誰を投入するか。ベンチメンバーを見て考えてみると、攻撃で違いを作れる駒は意外に少ない。杉本は前線でボールを待つストライカータイプで、マリノスユース出身の汰木康也もまだ心もとない。柴戸海はその時点でピッチに立っていた中盤の選手たちと同じタイプで、明確な変化はつけづらい。