前線から中盤まで高い汎用性を発揮する大迫
“ユーティリティ・プレイヤー”が復帰した。4月7日、強い春の日差しが照り付けたボルシア・パークーー。
ブンデスリーガ第28節。敵地に乗り込んだSVヴェルダー・ブレーメンは、唯一作った15分の決定機を除けば、ボルシアMGを相手に防戦一方で前半を折り返す。
そして後半に入ると、水圧に耐え切れなくなった堤防が決壊するかのように、49分、遂にブレーメンは失点。ニコ・エルデヴィの寄せに耐え切れず、マックス・クルーゼがボールを失うと、フロリアン・ノイハウスに独走を許す。22歳の新進気鋭のMFにGKジリ・パブレンカもかわされ、先制ゴールを奪われてしまう。
大迫勇也が“復帰”したのは、それから3分後、52分のことだ。
試合後、日本代表のエースFWは「リハビリ期間が長かったので。まだまだ100パーセントじゃないです」と、自身の状態について言及。
「本当はまだ45分できる体じゃないので、練習もまだ1週間もしていないし、10分、15分ぐらいのイメージでしたけど。ただ(ブレーメンの)内容も良くなかったので、出る感じはありましたね。予想外の展開で出ることになりましたけど、要所要所でしっかりとプレーしようと考えていました」
敵のプレッシャーを受けてボールをキープし切れない場面もあるなど、万全の状態ではなかった大迫。それでも2トップの一角からインサイドハーフまで、前線から中盤までポジションを変えながら、高い“汎用性”を発揮する。体を張るだけでなく、ダイレクトプレーも織り交ぜながら、「要所要所でしっかりと」チームの戦いに貢献した。
そして 79分には、ディヴィ・クラーセンのヘディングによる同点弾をアシストする。右から絶妙のアーリークロスを送った大迫。優れたMFでもあることを証明した。