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アーセナル、“完敗”の理由。エバートンに上回られた質、試合のキーマンはまさかのGK?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

後半立ち上がりはアーセナル優勢。しかし…

 前半を悪い流れのまま終えてしまったアーセナルは後半に巻き返しを狙うべく、ハーフタイムに2枚代えを行った。エルネニーに代えアーロン・ラムジーを、セアド・コラシナツに代えピエール=エメリク・オーバメヤンをピッチに送り出したのだ。

 すると後半立ち上がりはアーセナルが優位に立った。その理由は前半に躍動したゴメスを途中出場のラムジーが常に警戒し、自由を与えなかったこと。そして、まず守備面での仕事をしっかりこなした背番号8は攻撃面でも鋭いパスを前線へ供給するなど、攻守両面でチームに違いをもたらしたのだ。

 ゴメスが封じられ、歯車がかみ合わなくなったエバートンは、やや焦りがちになってしまい、アーセナルにペースを渡す形となった。ジャギエルカ、クルト・ズマを中心とした守備陣は集中を切らさず、身体を張ったディフェンスを見せることができていたが、失点してもおかしくない展開は続いていた。

 だが、アーセナルはその良い時間帯のなかで点を奪うことができなかった。65分を過ぎた辺りからエバートンが守り慣れしてきてしまい、再び流れをホームチームに与える最悪の展開に持っていってしまったのだ。

 そしてここからはエバートンのシュートの嵐。リシャルリソンとベルナルジはカウンターから幾度となくサイドを突破し、決定的なチャンスを演出した。ギルフィ・シグルズソン、ゴメス、ゲイェといった2列目の選手も高い位置を取り、うまくセカンドボールを回収。良い形で2次攻撃へ繋げ、GKベルント・レノを何度も襲った。

 最後まで攻め続けたホームチームはそのまま1-0で試合を締めることに成功した。前半はシュート数6本だったが、後半だけでなんと17本ものシュートを浴びせたエバートン。欲を言えば追加点を奪いたかったところだが、今季ベストゲームに挙げられるほどの内容だったことは間違いない。10位(第31節終了時点)にいるようなチームではなかったようにも思える。

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