ユベントスの真の強さ
前半はなかなか良い形で縦へのパスが入らなかったユベントスだったが、ピャニッチの投入もあり、その点も多少は改善された。ベルナルデスキやキーンはボールを受け、ドリブルからパスやシュートなどでリズムを変えるなど、前半とは明らかに違った攻撃面の良さを出した。
迎えた84分には、ダビデ・カラブリアのパスを完全に読んでいたピャニッチが相手陣内深い位置でボールを奪取。少しドリブルで運ぶと、ペナルティーエリア内にポジショニングしていたキーンへパスを送る。背番号18はこれを冷静にゴールへ流し込み、土壇場で逆転に成功した。
試合はこのまま2-1で終了した。前半は「停滞」、後半は「爆発」。まさにこうした内容だったと言うべきだろう。
また、アッレグリ監督の見事な修正力と巧みなベンチワークが勝敗の行方を左右したといっても過言ではない。試合の流れを読み解き、冷静にこうした判断を下すことができる監督。それらをピッチ上で遺憾なく発揮できる選手の存在。ユベントスの真の強さはこうした部分にあるのかもしれない。そしてこれは強豪クラブだけが持つ魅力の一つだ。
ミランとの一戦を勝利したことにより、ユベントスは勝ち点を「84」にまで伸ばした。これにより現地時間7日にジェノアと対戦する2位・ナポリが同試合で敗れた場合、ユベントスのセリエA8連覇が決まることになる。4月上旬でのリーグ優勝は今後のCLに向けても気持ちの面で楽になるはずだ。
仮にナポリがジェノアに勝利したとしても、ユベントスの8連覇はほぼ確実と言わざるを得ない。彼らにはそれを成し遂げるにふさわしい強さが兼ね備わっている。
次のゲームはCL・ラウンド8、1stレグのアヤックス戦だ。ミランとのゲームに勝利した勢いをそのままに、オランダの強豪との一戦でも勝利を掴むのだろうか。
(文:小澤祐作)
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