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セリエA 6年前

ユベントスがミランを下した決定的な違いとは? まるでジキルとハイド、強豪だけが持つ魅力

セリエA第31節、ユベントス対ミランの一戦が現地時間6日に行われ、2-1でホームチームが勝利している。前半はなかなか波に乗れなかったユベントスだったが、アッレグリ監督の修正力が発揮され、後半に2得点。90分間で何が変わったのだろうか。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ミランが越えられなかった王者の壁

ユベントス
ユベントスはミランを2-1で下し、リーグ8連覇へまた一歩前進した【写真:Getty Images】

 チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を目指すミランにとっては、痛すぎる敗戦だ。前半のうちにクシシュトフ・ピョンテクのゴールで先制し、その後も試合のペースを握っていた同チーム。ここ最近のリーグ戦のなかでは、最も良い内容だったかもしれない。それでも、越えられない壁があった。やはりユベントスは、強敵。テンション高く挑んだミランでも、撃破することができなかった。

 王者らしい90分間の戦いを見せ、堂々とホームで勝ち点3を奪ったユベントス。クリスティアーノ・ロナウドは負傷のためピッチに立つことはできなかったが、背番号7不在の影響はまったく感じることができなかった。選手層の厚さ、技術力の高さ、チーム力の高さ。イタリア王者はやはり、すべてがワールドクラスだ。

 そんなユベントスだが、ミラン戦では何もかもがうまくいったわけではない。3-5-2のフォーメーションでスタートした前半は、あまり良い出来ではなかった。

 マリオ・マンジュキッチとパウロ・ディバラが2トップのコンビを組み、中盤にはエムレ・ジャンやフェデリコ・ベルナルデスキといった面々が名を連ねた。攻撃時にはベルナルデスキが高い位置を取り、ジャン、ロドリゴ・ベンタンクールの2人がそれを後ろでサポートする形。サイドからはレオナルド・スピナッツォーラとマッティア・デ・シーリオが顔を出す。

 しかしミランの守備陣を前になかなか効果的な攻めを見せられないユベントス。マンジュキッチは起点を作ろうとサイドに流れるが、そこで崩せたとしても、ペナルティーエリア内で身体を張って勝負できる選手がいないという状況が続いた。

 ベルナルデスキは果敢に前線へ飛び出すが、そこに良い形でパスが入らない。ディバラはサイドと中央を行き来していたが、ミラン守備陣を崩すキッカケにはならず。攻めの歯車は噛み合っていない印象だった。

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