意外と多い親子鷹
サッカー界には親子二代の選手がいる。地盤も看板も引き継げない、実力のみの世界にしてはけっこういる。たぶん才能は遺伝するのだ。
先日、フィン・ラウドルップのプレー映像を見た。1960~70年代にデンマークのクラブでプレーしたFWで、デンマーク代表歴も19試合ある(6得点)。ただ、息子のミカエルとブライアンのほうがはるかに有名だ。
正直、大した選手でもなかったのだろうと思っていた。ところが、モノクロの映像に映っていたのはミカエル・ラウドルップそのものだった。ドリブルの姿勢、シュートの打ち方、スルーパスの見事さ、インスピレーションは完全に息子たちに遺伝したのだと知った。父フィンが81年に引退した翌年に息子ミカエルがプロデビューしている。
ファン・セバスチャン・ベロンのニックネームは「魔法使い」だったが、これは父親のファン・ラモン・ベロンからいわば譲り受けたもの。ジャン・ジョルカエフ、ユリ・ジョルカエフは親子でフランス代表選手として活躍。ピーター・シュマイケル、カスパー・シュマイケルはポジションも同じGKである。パオロ・マルディーニはユース年代までは「チェーザレの息子」だったが、すぐにチェーザレのほうが「パオロの父」と呼ばれるようになった。イタリア代表監督になっても「パオロの父」だった。
ディド・ハーフナーは日本リーグ屈指のGK。息子のハーフナー・マイクはFWだが日本代表にも選出された。水沼宏太、風間兄弟(宏希、宏矢)なども親子Jリーガーで、古今東西を問わず才能の遺伝子は強い。