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リバプールに舞い込んだ奇跡的な勝利。立役者は誰? 強力3トップにプラスされた第4の矢

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

リバプール第4の矢

アンドリュー・ロバートソン
左サイドで輝きを放ったアンドリュー・ロバートソン【写真:Getty Images】

 奇跡的な勝利を収めたリバプール。だが、試合を振り返っても決して楽なゲームではなかった。では、そのなかで勝利の立役者となったのは誰なのだろうか。その人物こそ、アンドリュー・ロバートソンだ。

 守備時には5バックで守るトッテナム。3バックが中央をがっちり固めたことにより、リバプールは必然的にサイドからの攻めが多くなった。

 同チームは相手の守備陣をこじ開けようと、効果的なサイドチェンジを織り交ぜながら空いたスペースをうまく利用し、敵陣内に侵入。サラー、サディオ・マネらは中央寄りにポジションを移し、サイドのスペースをうまく広げた。

 そこをうまく使うのがロバートソンやアーノルドといったサイドバックの選手たちだ。彼らが攻撃に参加することにより、リバプールはより厚みのある攻めを展開することができる。得点力の高いマネやサラーはサイドに張るよりも中央寄りの位置でプレーした方が相手にとって恐怖となることは間違いなく、そうした状況を可能にするのはやはりサイドバックの選手なのだ。

 とくにロバートソンの働きは見事だった。縦への推進力と果敢な攻撃参加はトッテナムにとって脅威となっており、背番号26の動きで相手の最終ラインを深い位置まで下げることにも成功していた。

 また、ロバートソンはこの試合で6本のロングボールを出しているが、そのすべてを成功させているなど精度も抜群。パス本数はチームトップとなる63本出しており、そのうちの53本を正確に通している。これもチーム内ではトップの成績となっており、成功率に表すと84%となっている。

 先制点に繋げたクロスは見事の一言。リバプール攻撃陣は平均身長こそあまり高くないが、あのようなピンポイントクロスが飛び込んで来れば、いくら相手DFとの身長差があろうがまったく関係ない。そうした武器があるのはチームにとってプラスだ。

 サイドからいかに崩せるのか。ここが一つのポイントとなっていたトッテナム戦。そこで輝きを放ったロバートソンはまさしく、3トップにプラスされた“第4の矢”のような存在だ。

(文:小澤祐作)

【了】

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