スイス代表のファビアン・シェア【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)の医療部門は、試合中の接触プレーで脳震とうを起こしたとみられるDFファビアン・シェアにプレーを続行させたスイスの対応を非難している。英紙『デイリー・メール』が伝えた。
スイス代表は今月22日に行われたEURO2020予選の試合でジョージア代表と対戦。ニューカッスルでFW武藤嘉紀のチームメートでもあるシェアはこの試合に先発で出場していた。
前半24分、ゴール前でのハイボールを相手選手と競り合ったシェアは頭を打ってピッチに転倒。目を閉じて体を動かさず、意識を失っている様子だった。だがピッチ上で処置を受けて意識を取り戻したあと、試合終了まで90分間プレーを続行した。
FIFA医療委員会代表のミシェル・ドーゲ氏は、スイスのこの判断を強く非難している。「選手が意識を失った時はすぐにピッチから出て、戻るべきではない。極めて明確なことだ。今回の件で起こったと思われることに私は全面的に反対する」と述べた。
現場にいなかったのでチームドクターの決定が正しかったかどうかは判断できないとしながらも、「脳震とうは決して甘く見てはならない。十分に慎重になるべきだ」とドーゲ氏は訴えている。
シェアは接触プレーの場面を覚えていないと試合後に話すなど、明らかに脳震とうの症状を示していたという。ニューカッスルのレジェンドであるアラン・シアラー氏もスイスの対応を「馬鹿げている」と非難していた。
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